トレーサビリティを証明できる計測器の校正

計測する数値に信頼性を持たせるために必要

何らかの製品を作った場合、その製品の重量やサイズなど、具体的な情報を公開する必要があります。その情報を得るためには、色々な種類の計測を行います。ただ、どの計測器でも正確な値が出せるわけではなく、認められたもので計測しないと、製品情報自体の信頼性が損なわれてしまいます。特に規格に基づいた製品を作る場合は、情報が正確であることが重視されます。そこで導入するのが、トレーサビリティで、正しい数値が出せることを証明できる書類を指すことが多いです。

標準器と基準器の繋がりを証明する

日本には標準器という、正確な数字が出せるように調整された計測器があります。その標準器を参考にすれば、製品情報に信頼性を持たせる計測が可能となります。基本的には校正といって、標準器と同じサンプルを計測して、誤差を確認する作業を行います。計測した結果にその誤差を加味すれば、標準器に近い数値が割り出せるわけです。ただ、標準器の数は決して多くはないので、直接校正をするのは現実的ではありません。そのため、標準機とは別の計測器を用意して、それを基準器にします。基準器の数は必要に応じて増やせるため、日本全国幅広いところで校正ができるようになります。そして、特定の計測器が参考にした基準器が、最終的に標準器に辿り着くことを証明できるのが、トレーサビリティです。トレーサビリティの証明書には、使用した基準器の情報も含めて、標準器に至るまでの流れが途切れることなく全て記録されているため、計測した数値も信頼できます。

専門家に作業を依頼するのが基本

トレーサビリティを証明するためには、正確な校正をするための技術が欠かせません。そのため、誰にでも行えるというわけではなく、規格に基づいた認定があります。その認定を受けているところが誤差の確認をして初めて、計測する数値に信頼性が出てきます。誤差確認の作業自体は、条件を満たしさえすれば、製品を作る会社でも行うことができます。しかし、正確な作業ができるスタッフを用意しなければならない上に、基準器も必要です。その基準器の数値を安定させるためにメンテナンスも欠かせないため、非常に大変です。また、そこまで高頻度で確認しなければならないわけではなく、数ヶ月や1年に1回行えば問題ない場合もあります。したがって、自社で作業をする強みがあまりないため、基本的には専門家に依頼することがほとんどです。

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